子供の居ない私の母性

私の2才下の弟は、21歳でパパになりました。
その頃、私はまだ独身で、両親と同じ家で暮らしていました。
弟は長男で、将来的には同居を考えていたようですが、結婚してしばらくは、同じ市内のアパートで新婚生活を送っていました。
弟の妻となった女性の母親はもう他界していたので、産後のお世話はウチの母がしていました。
その頃は私が仕事から帰ると、そこには弟の妻と甥っ子のカズが居ました。
私はカズを見ながら、生まれたての赤ちゃんというのは、柔らかく天使のような笑顔で、「愛されるために生まれてきたのだな」ということをヒシヒシと感じていました。

私は生まれつき遺伝子に異常があり、心臓にも変異があります。
大人になると、自分は普通に結婚して、子供を持つことはできないのではないかと感じるようになっていました。
そんな私にとって、血の繋がった赤ちゃんを始めてみた時から、その子に対する愛おしさが止まりませんでした。
弟の妻も気立ての良い女性で、自分の息子を私に抱っこさせてくれました。
産後の体調が落ち着くと、弟ファミリーはアパートに帰っていきましたが、土日祝日は、よく3人で実家に遊びに来ていました。

そんなある日、弟の妻と母が夕食の準備をしていたので、私はカズのおもりをしていました。
カズを抱っこしてユラユラしていると、なんと!私の腕の中でスヤスヤと眠ってしまいました。私なんかの腕の中で安心して眠ってくれるなんてと感動でした。
その頃のカズは、生まれて半年位になっていて、ちょっと重たかったのですが、ミルクの香りとなんとも言えない赤ちゃんの匂いは、私の鼻孔をくすぐって、とても幸せな気分にさせてくれました。
自分には子供は難しいだろうけど、弟夫婦のおかげで、母性というものを味わうことができたのだと思います。

そんな可愛かったカズも今はもう社会人で、立派になったカズだけど、あの赤ちゃんの頃、私に感動をくれたことは今でも忘れられません。
ありがとう私の天使。